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小児救急医学会

小児救急医学会のランチョンにお邪魔する。
慶応大の星野先生が座長を担当して下さった。

いつものように創閉鎖のお話をするが、今回は少々勝手が違った。
なんというか、聴衆の方が構えている印象だ。

知識を得て改善したい・・というよりも、今自分のやっていることが正しいことを確認したい。
あるいは、変えるつもりはないが、話だけでも聞いてみるか、という感じだ。

ある程度のアウェー感には慣れているが、それだけではない頑なさを感じた。

小児の治療では、いつも難しい判断を迫られることが多い。
それは、本人の希望という不可侵のpriorityがないことにもよる。

疾患、背景、予後、倫理、親の価値観、経済などなど多様な要素を天秤にかけて、子どもにとって最善の処置を考えるというプロセスには、それなりの能力や経験がいる。だから、上席医の判断がその施設における大きな指針になりやすいし、それがそこでのスタンダードとなりがちだ。

ただ治療は本来、オーダーメイドである。
標準化は、そのリスクや治療効率の設定によっては、過剰や無駄が生じはじめるが、一度、標準化されるとその不合理性に気づきにくくなる。

「こういう場合は、一般的になにがベストなんでしょうか?」
わかりやすい解決への図式を知りたい気持ちはわかるが、医療は本質的にそういうものではない。
多くの要素を並べてpriorityを決めてゆくスキルを学ぶ必要がある。

Balanced practice をどう習得するか。
その方法を、考える必要がある。

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