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安全は買う

日本人のほとんどは,なんらかの保険には,入っているだろう.
健康保険は当然のこと,自家用車があれば,自賠責には入ってる.

で,なぜ保険があるのかといえば
”ぜったい” ということがないからで
たとえば飛行機は ほぼ安全だけど,ごくまれに墜落するといったぐあいだ.

これは,とうぜん医療にも当てはまる.
というか 飛行機事故より 起きやすい
いやホントに

アタシ自身は,これまで35年ほど医療現場に居るけど
幸いにも 大事故には 遭遇していない.

でも これは ラッキーだったとしか思えない.
それくらい 事故は少なくない.

それでも ヒヤッとすることは すくなからず経験してきた.

麻酔,クスリ,手術,どの場面をとっても 落とし穴が口を開けている.
ちょっとした気の緩みがあれば 落っこちても当然なんだが
そうでなくても 落ちることがある・・・
だから こわい.

ただ ひとつ言えるることが ある.

それは 安全はお金で買える部分が多い ということ.
言い換えれば,安全のためのコストをケチると リスクが高くなる

たとえは麻酔ならば
・専門医に依頼する(人件費がかかる)
・緊急時に必要な薬剤は 揃える(幸いにも使用せず 期限切れで破棄することが多い)
・機器は毎年,点検管理する(メンテ代がかかる)
・故障に備えて 機器のバックアップを揃えておく(ある意味,不良在庫)

手術ならば
・最新の器具を使う(新しい方が安全に配慮されていることが多いが,コストがかかる)
・予定の手術時間に 余裕をもたせる(タイパ悪い・・・)
・パフォーマンスに影響がないような スケジュールを組む(休養をとるための休診)
・技術を上げるための時間をとる(学会参加・発表,論文購読,情報交換など)
・できるスタッフを揃える,あるいは教育する(人件費,教育費がかかる)

こうしてみると コストかけると,リスクを減らせのが わかるでしょ.

ただ ザンネンなことに これらをケチる医者が少なくない.
とくに美容外科領域で・・
よっぽど自信があるのか,ただのケチなのか・・・

どちらにせよ この職種にあっては ただのバカとしか思えない
アタシ的にはね.

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