技術料にみる人柄
しばらく前になるけど 患者さんと話をしていたときのこと
「えっと これまでの手術の既往なんですが・・ 埋没法の二重をされてるんですね」
「はい・・・でも なんだか 高かったわりにはキレイに仕上がっていなくて・・」
「高いって・・・20万円くらいだったんですか?」
「いいえ もっとです 60万円でした・・」
「ええっ!! ろ・っろ・ろくじゅうまん!」
・・・・そ・それ 詐欺やろ・・・・
「いや あの どういう内容だったんですか? 埋没法・・なんですよね・・?」
「ハイ,でも私の瞼は脂肪が多くて厚いので 普通のやり方だとすぐに取れてしまったり キレイに仕上がらないっていわれて それで 詳しいことはわからないんですが○○法っていう 特別な方法でやったほうがいい って勧められて・・」
「○○法???」(聞いたことないわ・・・)
さっそく検索してみると 出てきた・・○○法・・
情弱イチコロの ザ・キラキラネーム・やんか・・
これって その効果をなんも科学的に検証してないし,正直 こんなんで厚い瞼に対応できるとも思わない.
じつに 胡散臭いシロモノじゃ・・
「えっと はい・・この方法は なんというか・・でも 結局,上手くいってないんじゃ,高額の意味ないですよね・・・(ヒデーな この医者)」
美容医療は自由診療だから 決まった価格,定価みたいなものがあるわけではない.
どういう値付けをしようと構わないと思う.
ただ多くの物事には,相場がある.
それが無視されたものを,バブルというけど,たいがいは はじける.
以前なじみの鮨屋の大将が 強気な価格の同業者の店に行ったときのことを話してくれたことがある.
とってもやさしくあたたかい,幸せにしてくれる握りを食べさせてくれる,大好きな大将だ.
「たしかに美味しいんですけどね・・・ちょっと 高すぎかなって・・・こっちは仕入れ値もしってるんでね・・・」
どちらもミシュラン星付きのお店だ.
自身の技術料をどれくらいに設定するか.
そこに謙虚さが見えるくらいが ちょうどいいと アタシは思ってる.