きれいか そうじゃないのか・・・

ときどき 手術でつくった鼻がキレイかどうかとか,かわいくなったかとか 議論になることがある.
正直 こういう議論は 好きじゃない.
そんなの一個人の感覚なんで,議論したところで不毛だし
そもそも 完全無欠なウツクシイ鼻など 存在しないと思ってる.
実際,こんなことがあった.
以前に アタシのところで手術をお受けになった とてもチャーミングな女性が 相談にいらした.
「しばらくでしたね.お元気そうで なによりです.で,今回は?・・」
「あの・・先生には とってもキレイな鼻にしてもらったんですけどぉ・・・」
なにやら ワケありの感じ・・・
「・・そうですね・・ お似合いだと思いますよ・・」
「・・・なんていうか・・・あの・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・前の鼻のかんじが・・・やっぱりよくって・・・」
わかるっ! わかりますよ!
還暦をとうに過ぎたジジイは.
ずっと見てきた 自分のカオへの愛着というか 郷愁というか
そんな気持ちは みんなあると思うよ.(もちろん全くない方もいらっしゃるケドね)
「わかりました! 完璧はむつかしいけど,できるだけもとに近づけましょう!」
「ホントですかぁ! よかったです.ありがとうございます!」
患者さんの心変わりを メンドーと思う外科医も居るとは思うが
こういう こころの揺らぎって アタシは愛しいと感じる.
芥川龍之介の鼻という小説が まさにこの話である.
おおきな鼻を気にしていた僧侶が,ある日,小さくなった自分の鼻に最初はまんざらでもなかったのだが,次第に落ち着かなくなり,終いにはとうとう元に戻したいと思う.
なんとも 見た目というか 他人の目というか
ニンゲンって なんて やっかいな生きものなんでしょーね♡(笑)
