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術式が一人歩きすると どうなるか

アメリカの著明な形成外科医 Dr. Sam Hamra が亡くなった
88才だった.

ハムラといえば,1990年代のComposite Face lift で一世を風靡したことで知られる.
昨今流行のDeep plane FLである.
その後も Orbital fat repositioning など 今や誰もが行うアプローチを開発している.

ちなみに彼の論文は Facial Rejuvenation Surgeryに関するモノとして,数多く引用されているが,その数は近年の統計のトップ 50 にいくつもランクインしている.ようするに レジェンドだ.

最初に彼のプレゼンを見たのは たしかNYのCutting Edgeだったと思う.
よい体格から発せられる たしかな言葉のすばらしいプレゼンだった.

でも,ちょっと気になったのが,その学会での扱われ方だった.
はっきりといえば,ディスカッションのときや,業績の評価に対して なにか差別的なものを感じた.アタシがとくにそういったことに敏感だとは思わないが,いわゆる慇懃無礼な態度とか,質問のような遠回しの嫌味などが 見られたのだ.

海外,とくにアメリカの学会では,こうした場面にはしばしば遭遇するんだけど,プレゼンもリザルトもよかっただけに 妬みもあったんだろうと そのときは勘ぐった.
(もちろん以前は日本でも 子どものケンカのようなディスカッションは あったけどね・・見てて ほんと ダサかったわ)

で,今回の記事を見てたら,彼はレバノン系出身ということを知って,あー やっぱりそうだったのかとその時のことを思い出した.

そんなことを思い出しながら,ハムラの論文を読み返してたんだけど なぜかって言うと,日本でハムラ法がこんがらがっちゃてるから.独自の進化を遂げたカリフォルニアロール寿司みたいな感じ.ちょいと整理してまとめてみようと思うけど,vector の話からまた新しいアプローチのアイデアが湧いたりしてるので,そっちの方にかかりきりになりそう.

ちなみに 有名な双子のFLの論文.10年のフォローアップって すごい.
ちょこっと絵をあげとくけど,ガチで10年効いてるのは BakerのSMAS plication. Deep plane は2~6年あたりから下がってる.まあ,それとは別に,natural aging という視点でみると・・・ だよねぇ〜〜 

論文では,各医師のコメントがとっても面白いです.
双子といっても生活環境とか ゼンゼン違うから 手術の結果と言い切れないしね.
ちなみに この4人の対決は,Baker は東の横綱,Owsley は西の横綱,いずれも当時すでに大御所.一方 Hamra はDeep plane をひっさげて登場した中東移民系中堅スター,Ramirtzは コロンビア出身の若手内視鏡スター というカードです(笑)

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