1. HOME
  2. ブログ
  3. SURGEON
  4. Tools
  5. Works
  6. 頬骨セットバック 開発秘話

頬骨セットバック 開発秘話

いや〜〜 この歳になって まだ手術でドキドキするとは 思ってもみなかった.
30年以上もクラニオ系のオペをやってきたんだけど
久しぶりにテンション上がるわ・・・

なぜって むつかしいし 落とし穴があるから・・
それが 福田先生と共同開発した 「頬骨セットバック骨切り術」

頬骨骨切りと云えば,いわゆるL型に切って押し込む方法.
もちろんよい術式なんだけど,どーしても解決できないことがあった.

それは 眼窩縁の張り出し.

いや これが解決しないと 仕上がりが もひとつなことが多いんだよ〜(悲)
手術してても,ジブンが納得できないから,患者さんにも申し訳ない.

で 2022年の5月くらいから 
いいかげん どーにかできないのかよっ! って急に思い立って
造医研ラボ(工房)で いろいろとやってみてたんだ.

このときは 通常のL骨切りに加えて,眼窩周辺を切り出して固定する
っていうのが 現実的かな〜 って

そんな話を福田先生にしてたら,
「あのさぁ〜 いっしょに行く予定だったけど,コロナで延期になっちゃったバンコクでの解剖,あるでしょぉ〜
あれ,再開できるって連絡があったからさぁ センセー行こうよ」 
と まさにベストタイミングでの オファーが!

じゃ そこで筋肉とか,軟部組織の追従の程度とかを 検証しよう ってことになった.

で それから ガイコツ模型をいくつも切り出したり
「彫りの深い顔にするオペだから 白人系の骸骨でチェックしよう」
てことで 集めて 比べて 切って・・・ 

アン・ハサ〇ェイのライフマスクで 眼窩縁の位置を確認したり・・・
ふたりで,造医研で 格闘してた(笑)

なんやかんやで 手応えを得たところで いざバンコクへ!!

やってきました 天下のチュラロンコン大学 サージカル・トレーニング・センター!

アシスタントのワカモノも連れて 検証に次ぐ検証!

ありがたいことに 予想通り,いやそれ以上の成果を得た.
うれしそうな面々(笑)

それからは 実際に手術で必要となる器具をいろいろと製作(@造医研ラボ)

サージカル・ガイドのドラフト・バージョン

骨把持鉗子

ガイド付きレトラクター

今は,これらの改良型を,手術で使ってる.
こいつらがないと,正直 超高難易度のオペです・・・ 

時間が とんでもなくかかったり
サイアクの場合,重要なポイントでプレート固定ができなくなったり・・・
コワイよ・・・

よい子は 見よう見まねでオペしないようにねっ!(笑)

で,臨床結果はといえば
それはもう!! ほんと いいです! 
めったにしない 自画自賛をさせてもらいますが
歴史に残る術式ですわよっ(笑)

関連記事