器械の輝き
12月は、来年度、手術に必要な器械を申請する時期である。
つらつらとカタログを眺めているが、至福である。
魅力的な道具の写真には、キュンとしてしまうからだ。
「これは、絶対に便利そうだ、欲しい」
「これがあれば、どれだけラクにできるだろう、欲しい」
「この道具を使っている時は、幸せに違いない、欲しい」
手術は、様々な器械を使って行う。
だから、道具の良否によって、感じる時間の長さや疲れ方が異なる。
それは、手術の安全性に直結しているので、外科医にとっては、譲れないところだ。
ただ、どれも実際に使ってみないとわからない。
また、しばらく使って技術が向上したり、スタイルが少し変わったりすると
その道具を使わなくなったりもする。
そんな按配なので、手元には、使わなくなった道具が、結構ある。
もったいないとも思うが、それらのおかげで今の技が身についた。
だから、捨てられない。
きれいな箱にいれて、とってある。
傷だらけだけど、そこで、静かに光っている。