これからのテレビ
正直、年末年始のテレビは、すかすかだった。
秋頃にやった自局のドラマを、一挙放送と称して、だらだら垂れ流している局。
30年分のお宝映像と称して、断片化した番組の再放送をしていた局。
新たな製作ネタがないのか、収益低迷による体力不足のせいか、ドラマの焼き直しやセットだけ組んだクイズ番組、芸人と文化人を多用したバラエティーなどが目立つ。
面白かったのは、駅伝。
やはりこうしたスポーツには、筋書きがないだけに、作り手にも視聴者にも共有できる緊張や興奮がある。
今年は手元にiPadを置いてツイッターを覗いていたが、ハッシュタグ #skt (スーパー柏原タイム)には、箱根5区を力走する東洋大柏原君に関するつぶやきが怒濤のように押し寄せる。
声優の花澤香菜が好き(らしい)とのことで、アニヲタとか書き込まれていたが、これまでお茶の間のテレビの前に座った人が、ミカンを食べながら、「髪型がへん」とか「一生懸命でかわいい」とか「同級生なんだから、あんたもしっかりしなさい」とか、好きなことを言いあっていたことが、もっと大きなサイズで楽しめるというのも、悪くない。
実際、ニコ動などは、こうした参加している感覚をうまく画面で表現している。
あとは、ジャニーズの年越しライブ。
毎年見ているが、相変わらず、すごい。
ますます優良企業のようになっている。
営業・企画・製造などの各部署の連携がスムースだし、商品の見せ方も多彩ですばらしい。
客が消費することによって得られる幸せ感を、ほんとにうまく引き出してくれている。
かつて、お茶の間のテレビといえば、家電の王様、情報の源、活力の泉・・といった華々しい存在であった。
それが今やネット経由による下からの発信力によって、大きく揺らぎ始めている。
ネットとテレビの融合と叫んで放送局を買収しようとした人がいたが、おそらくそれぞれ、相補的な独立した存在として発展するんだろうと思っている。
今、ネットには新しい表現という可能性があるが、コンテンツはやはり、まだテレビに分がある。
PS:私の弟のプロデュースの番組が、NHK6日夜0:15~ 放映されます。
番宣してと言われたので、よろしければ。
面白いです!とのことです。
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2011-01-06&ch=21&eid=6087