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CST@東北大 2025

ことしもやって参りました.東北大CSTセミナー.
もう12回目になります.

昨年 件の不適切SNS投稿騒ぎがあって,一部からは開催を見送るべき といった意見もあったとも聞く.
しかし過去12年間 ひたすら真摯に取り組んできた 東北大学みなさんのご苦労を こんなことで中断したくない という解剖学講座を含めた各方面の思いから 最終的に開催に至った経緯があった.

ほんとうに よかったし,感謝の気持ちでいっぱいである.

私個人とすれば,あんな連中のせいで,これまでの苦労を帳消しにされたくないわ という気分である.
それというのも,厳密に言えば,今もって日本国内で外科医は解剖ができない状況にもかかわらず,各方面の並々ならぬご協力の上で成立させていただいているからだ.

多くの方は,外科医が解剖をするということは,以前から普通に行われていたのではないか,と思っているかもしれないが,実はそうではない.
現在でも,人体解剖は,医系教官と医学生だけに許されている.

んんん?・・・ と思われる方が多いだろう.
生身を切ってる外科医が なぜできないのかと.

本来,死体にメスを入れる行為は,死体損壊罪にあたり,3年以下の懲役が科せられる.ただ医師の教育に必要な解剖を行うために1949年に死体解剖保存法が制定されており,大学医学部において学生教育の目的で,合法的にそれを行うことが許されている.

さらに1983年に献体法(医学および歯学の教育のための献体に関する法律)が成立して,現在の献体制度の下に解剖が行われているという,背景があるからだ.

ただ外科手術の高度化に伴い,外科医の教育育成の目的で解剖を行う必要性が高まったことを受け,2012年に日本外科学会と日本解剖学会が,「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」を定め,外科医も解剖が可能になったという経緯がある.

もちろん行うためには,サージカルトレーニングの目的・内容の妥当性について,大学の倫理委員会が審査し承認することと,献体登録者が生前に自分の身体がサージカルトレーニングに使用されることを書面によって表示していること,家族がいる場合にはその「理解と承諾」が得られていることを条件としている.

このように 現在の外科トレーニングの解剖は,こうした背景の下に行われていることを 多くの外科医は知るべきだろうし,解剖を経験させていただいている という謙虚な姿勢を持つ外科医だけに,解剖が許されると私は思う.

もちろん今回のCSTは そうした謙虚な若い外科医たちが,真剣に取り組んでくれてたよ.
われわれスタッフも とても充実した気持ちでした.よい時間でした.

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