エラ外板削りのあとって どうなるのか?
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エラ削りのやり方の一つに,「外板切除」があります.
この外板というは,医学的には「皮質骨」の部分を指しますが,3mm前後の厚さの白く固い骨になります.この部分を削ることで,顔の幅が少し狭くなるのですが,たくさん削ると「髄質」とよばれる部分が露出して,これ以上削れない部分になります.(もちろん削ることもできるのですが,多く出血したり,神経が露出して麻痺を起こしたりするので,通常はあまり行いません)
外板切除を行った後は どうなるのでしょうか
実際の症例をみてみましょう.この方は,小顔になりたいとのご希望で,ご相談にいらっしゃいましたが,たしかに,しっかり張り出したエラと幅広いオトガイが目立ちます.頬骨もしっかりと張り出しているのがわかりますね.
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治療は,頬骨骨切り術とエラ削り(外板削りを含む)オトガイ形成術を行いました.
これが 手術後1カ月の状態です.
外板を削ることで,一部,「髄質」が露出していますが,下顎神経管の露出はありません.つまり下顎神経の損傷はないということです.
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そしてこちらが,手術後 約1年後のCTです.
術後1カ月の画像と比較してみるとよくわかりますが,露出していた髄質部分に骨が再生して,きれいにおおわれているのが わかります.
一方で,皮質骨をほんの少し残して外板を削った部分では,骨の再生はごくわずかなのが わかります.
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下からみたCT画像でも,骨の再生がよくわかりますね.
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つまり
外板切除をしても わずかですが骨が再生します
もちろん,まったく元通りになってしまうような再生は起こりませんので,安心してください.ただし,「ガッツリ」皮質を削って髄質部分を露出させてしまうよりは,皮質骨をわずかに残すように削ったほうが,骨の再生が最小限ですみますし,神経管の損傷もありませんので,安全でよい方法だと言えます.
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どんな手術でも まずは安全で合併症が生じにくいことが重要だと言えます.