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PRS Picks 2109

PRS journal 今月のPicks

さて今月も さっそく いってみましょう

まずは 日本の施設から,頭頚部再建のレポート.

208症例の下顎再建に対し,scapurlar free flap による再建を行った経験から,その有用性について述べた論文.

いやー,症例数も十分だし,結果も文句なくいいんだけど・・・ただ・・・

Scapular flap は,体位交換が必要,2チーム同時アプローチができない,そしてdonor site morbidity がやや深刻なことがあるなどの理由で,ほとんどの施設が fibula free flap をメインにしていると思う.

かつて所属していた施設でも,ずいぶん前に free fibula にシフトしてたので,正直,ちょっと驚いた・・未だやってるんだってことで.

レビュアーの意見も同じで,著者らの主張している利点や優位性は検証されておらず,比較対象となるコホートがなければ,現在のところ下顎再建のメインとなっている free filula flap に,scapular flap が勝ると主張することは非常に困難だとしている.

今のタイミングで,こうした論文が出された理由はよくわからないけど,もしかしたら決別のための,まとめ論文だったのかな? とも思った.
外科医が一度獲得した手技を変えることが難しのは,よく理解できるけど,最終的な患者さんの利益を追求するのが,原則だからなぁ〜

ただ,最後に,レビュアーのとってもやさしい一言に救われました.

Although some studies have reported on superior outcomes and improved operative efficiency, the artistry using traditional techniques should not be overlooked. The authors’ approach remains at the heart of the field of plastic and reconstructive surgery, which is our preferred approach as well; however, with the increasing trend toward virtual surgical planning, the authors’ insight and experience need to be preserved and imparted onto the next generation of reconstructive microsurgeons.

つづいては メンターンシップについての論説.

米国における若手形成外科医の教育について,さまざまな提言が書かれたもの.

外科医の教育は,なかなか厄介だ.
どうしても,手技がメインなので,手取り足取り のスタイルにならざるを得ない.

そうなると,やっぱり職人的な,ギルド的な世界観にならざるを得ず
こいつが,なんとも・・・・前時代的ではあるけど・・・仕方ない面でもある.

実際,95%近くの形成外科医が メンターンシップの価値を認めているにもかかわらず,ほとんどがシステム化されておらず,まあいわば,かつての徒弟関係のレベルを抜け出ていないとのこと.

米国の内科系とか,救急とか けっこうシステマティックなアプローチを主に教育が為されているので,形成外科もそうなんかなぁ〜なんて思ってたけど,いやいや 実際はかなりブラックな感じなんだ,と思われる内容でしたわ.

その背景には,いわゆるジェンダー差別や人種差別があることは自明で,実際にマイノリティだけの形成外科学会 Garnes society といったものがあるようで,サイトを覗いてみて,ちょっとビックリした.
興味のあるかたは,ご覧になるといい.

https://garnessociety.org/

また,アメリカ形成外科学会の会員の中で個人開業医の占める割合は,82%と高いことも、メンターシップの難しさを物語っているとのことでした.
ただ,こうした議論がなされる環境は,うらやましい.日本は・・ねぇ〜・・・

次は,白人種のハンプをX線解析し,表面形状との関連性を論じたもの.

いや,これ,このところイチバン興味のあるとこだったので,おもろかったぁー!

要するに,ハンプは,鼻中隔軟骨に起因するもので,鼻骨(rhinion)の関与は少ない というもの.

うんうん,そのとーりだわ.アジア系も同じだと思う.

このところ,なんやかやで,reduction rhinoplasty がそこそこ多いんだけど,下げたいところは軟骨がほとんどだし,仮に骨が絡んでいてもboney cap をちょこっと取ると,いやハンプってほぼほぼ軟骨やん,骨削りって思い込みやったわ,となる.

こうしてみると preservation rhinoplasy は いろんな意味でパラダイムシフトだな〜 ってしみじみする.

最後は 中国から face lift の新しいアイデア.

ざっくり言えば,いわゆるMACS lift の改良アジア版 といったところか.
今のMACS lift の弱点をよくみていると思う.

MACS lift は,このところのアタシ的なトレンド.アジア人で,首の問題が少ない方の場合,cranial suspentionが合理的なのは,いうまでもない.実際,ほとんどの方が,ホホの弛みを両手で上(頭側)に持ち上げて,こうなりたい,とおっしゃる.

SMASectomyや,SMAS flap も,これまでずっとやってて けっして悪くはなかったんだけど,なんかちょっと違うなー って思ってた.

「引っ張ってたるみを取る」という発想であれば,合理的なのかもしれないけど,ほぼ一方向にガッツリ引っ張るだけなので,とにかく「形」が悪くなりやすい.

顔のある一面が,広く均一になる.
で,こいつが けっこう変なんだわ.

だれも弛みを引っ張って,ピンピンにしたいわけではなく,若い時の,ふんわりと柔らかい輪郭になりたいわけで,この美しい輪郭を作る,という目的にイチバンかなったアプローチが,今のところは,MACSだと思っている.

ただ,あのnasolabial に向かう loop suspention が,どうにもコントロールしづらく,追加のplication suture でなんとか形を造るかんじだった.

そこを工夫しました っていうのがこの論文の主旨.

うん,わるくなさそう.ループよりは,ずっとコントローラブルな感じがする.
タイミングをみて トライしてみようと思います.

今回も なかなかおもしろい号でした!

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