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顔と社会 3

3 顔の価値

障害者等級というものがある。

さまざまな身体的障害の程度に応じて、1級から14級まで分けられており、労災では補償を受けられる。

1級は、「両眼失明」や「両上肢の肘から先を失う」などで、高度に社会生活が制限されるものだ。
14級は、「片手の拇指以外の指の一部を失ったもの」などとなっている。

顔面について見ると、
「女子の外貌に著しい醜状を残すもの」が7級
「女子の外貌に醜状を残すもの」が12級
となっている。

男子は、というと・・・

「男子の外貌に著しい醜状を残すもの」が12級
「男子の外貌に醜状を残すもの」が14級

著しい…で5階級、そうでないもので2階級ダウンで最低評価!!

男女差があることを含め、顔の社会性を全く解さない不当な評価と、思う。

ただ、この制度の基本が制定されたのが、昭和11年。
(もちろん太平洋戦争前)
その頃とは、産業構造もまったく異なった現代にそぐわない基準であることは、自明だ。

ちなみにこの制度は、平成16年に“初めて”見直しがなされた。
「人差し指を失ったもの」が他の指よりも、相当高く見積もられていたが、
拇指を除く他の指と同等に、格下げとなった。

なぜ、高かったのか。
それは、引き金を引く指だからということだった。

現代における顔の価値は、いったいどのくらいなのか。
だれも、答えられないが、14級でないことは、確かではないか。

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