1. HOME
  2. ブログ
  3. どんな種類の麻酔がよいのか

どんな種類の麻酔がよいのか

手術は 痛いよね

だから 麻酔は必須なんだけど どんな種類の麻酔方法がいいのかについて 解説してみますね

まず

麻酔の目的

なんだけど これには 2つある

一つは 痛みをなくすこと(鎮痛ちんつう っていいます)

これは もう絶対に必要だわ〜 注射みたいにチクっていう一瞬の痛みなら なんとかなるけど メスで切って 電気メスで焼いて っていったら もうとてもじゃないけど我慢なんてできない だから鎮痛はマストだよ

もう一つは 不安を減らすこと鎮静ちんせい っていいます)

手術の時は やっぱり みんな緊張するよね

これは仕方ないんだけど 実は これ 手術にとってはあんまりよくないんだ

なぜって ドキドキして血圧が上昇すれば 出血が増えるしね だから手術の内容によるけど 鎮静も必要なんだ

手術に麻酔が必要なことは わかったと思うので これから

主な麻酔の方法

について 説明します

局所麻酔

これは ずばり 鎮痛だけの麻酔

鎮痛薬を 組織に注射すると その部分が痛くなくなる というヤツで 歯医者さんでする麻酔っていうとわかりやすいかも  知覚神経の通り道に注射する ブロック麻酔 というのもこれになる

リドカインという薬剤を使うことが多いけど ほかにも効き目の長さとかによって いろんな種類がある

鎮静の効果はないので 目はパッチリ開くし 話も聞こえるしできる

だから 目を開けたり閉めたりして調整するような手術(二重とか眼瞼下垂など)や 1時間くらいの短い手術で よく使われる

頭がボーッとしたりしないので 手術が終わったらすぐ帰宅できるっていうのも いいところだね

全身麻酔

これは キッチリと鎮痛と鎮静をかけるので 完全に眠った状態になる麻酔 だからほぼどんな種類の手術でも可能な 万能な麻酔といっていい その代わり 呼吸が止まるくらい深〜〜く眠らせるので 管を喉に入れて 呼吸の補助をしてあげる必要がある

鎮痛と鎮静のそれぞれに どんな薬剤を使うかで ほんとにたくさんのやり方があるけど 基本は体中のすべての部分に鎮痛をかけ 深〜く眠るようにするので 手術中の痛みも記憶も まったくないよ

ただ 深く麻酔するので 完全に目が覚めるまでに 時間がかかる だから 麻酔から覚めても帰宅できるまでは 数時間かかる

あと 使う薬剤によっては 手術後に気持ち悪くなる副作用があって これがちょっと辛い 体に害があるわけじゃないけど 女性の4人に1人くらいの割合に起こるので なかなか厄介なんだ  喉に管を入れるので 手術後にノドの違和感があるのも イヤかもね

静脈麻酔

これは全身麻酔のやや弱いもの というといいかもしれない 点滴の管から鎮痛と鎮静の薬を静脈内に入れて行う麻酔で 強い侵襲のない手術でよく使われる(皮膚・皮下くらいまでの手術 骨までだと ちょっと難しいことが多い)

この場合 呼吸が止まるほど深く麻酔をしないので 喉に管を入れる必要がない

こう聞くと いいとこ取りの すごくいい麻酔方法と思うかもしれないんだけど 実はけっこうむつかしい 理由は 麻酔薬の効き目の個人差が大きいことにある

かんたんに言うと ビール コップ一杯で 真っ赤になってフラフラして 頭痛くなって 吐いちゃったりする人から ウイスキーのボトル一本でも 普通に立って歩けて ふつうに話せちゃう人までいるってことと 同じなんだ

ちょっとの鎮静薬で ぐっすり寝ちゃって そのまま息も止まっちゃったりする人から 標準の量を入れても ぜんぜん寝なくて 倍以上いれてやっとお休みされる という人まで ほんとにいろいろなんだよ

どれくらいの薬剤の量が適当かは やってみないとわからない もちろんぴったりの量が入れば ばっちり決まる麻酔なんだけど 多くても少なくても うまくいかない

だから 手術中に目が覚めた・・・とか 痛くて起きたことがある・・とか 聞くけど そういうことは 十分あり得ると思う

じゃ

麻酔方法の選択

はどうやってやるのか っていうと

1.手術の種類

体の深いところまで行ったり 出血が多い手術であれば 全身麻酔 静脈麻酔がいいでしょう

2.手術の時間

1時間を超えるような手術なら 全身麻酔 静脈麻酔がよいです

3.手術を受ける人の健康状態

手術を受ける方が ちょっと心配性であれば 全身麻酔 静脈麻酔がいいと思います あと 体質的にアレルギーや 喘息などの健康状態によっても 麻酔を使い分けます

これらの要素を組み合わせて 麻酔方法を選ぶのだけど

あと 実をいうと 外科医の腕 っていうのも大きい

手際が良くて 血を出さなくて 痛いところを避けられる 腕のいい外科医だと より浅い麻酔で いいんだ

もちろん骨の手術だと 局所麻酔ってわけには いかないけど かりに全身麻酔でも 浅めで大丈夫ってことなので 目覚めもいいし 帰宅も早い

まとめると

  • 麻酔には 鎮痛と 鎮静がある
  • 鎮痛は必須 鎮静は状況に応じて 使う
  • 局所 静脈 全身 の3つの方法がある
  • 局所は鎮痛のみ 静脈 全身は鎮痛+鎮静
  • それぞれに長所短所がある
  • 手術の内容と時間 患者さんの健康状態 外科医の腕 で方法を選択する

いずれにしても 正しいアプローチでプロフェッショナルが行う麻酔は 安全だし 麻酔のおかげで いい手術ができている

ただし きちんんと健康状態を検査しないといけないので カウンセリング当日に検査をしないままで全身麻酔をする とかは 安全ではないです

とにかく 手術と麻酔は セットだと思ってください よい手術のためには もっとも適切な麻酔が必要ですし よい麻酔なくして よい手術はできません

* 一般の方にも理解しやすいように 細部の情報については はしょって記載してます

関連記事