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手術がコロコロ変わる

見学にきたドクターが 「センセー! 本で書かれていたやり方とは ぜんぜん違うんですね!」 という.
「うん・・・すまんね・・・いや あれもいいんだけどね・・・でも こっちの方がもっといいんだよ・・・だから 変えたんだよ・・・スマンね・・」

そんなやり取りをしていたら 昨年出版した本の前書きで 去川先生がコメントしてくれてたのを思い出した.

そっか そばで見てると コロコロ変わるっていうかんじだったんたー って.

ぼけーっとオペしとったらあかんで! 形成外科医が説く外科手技の真常識
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たしかに教育者としては いかがなものかと ちょっと申し訳ない気分ではある.(学ぶ立場からしたら,術式を覚えにくいもんね・・)

ただ本人としては けっして気まぐれで変えているわけではない.
少しでもよい結果が得られるように・・・わずかでも痛みが少ないように・・・といった思いからなんだよ.

それに 患者さんの状態も それぞれでまったく異なるし 同じ術式といっても個々でアレンジする場面は 数え切れない.そういうことでもある.

でも 実際のところ 手術をいちど習得したら ほとんど変えない っていう外科医は少なくない.10年以上かかって たいへんな想いをして 体に覚え込ませた手術の手順やコツ.それらを変えるってことは ちょっと勇気がいる.

なぜなら 変えることで上手くいかないことがあり得るからだ.
どんなトップ・アスリートでも フォームを変えたりすると成績が下がったりするのと同じだ.

それだけでなく 手術は 100%上手くいくとは限らない.
合併症やちょっとした不具合を経験したことのない外科医など いないだろう.世界のどんなトップ・サージャンでも pit fallに遭遇している.

そう言った意味で 術式やスタイルを変えないことは なにか予期せぬことが生じた時に 自分自身が不具合のファクターではない という免罪符にもなる.
(いつもと変わらず 同じようにやったしさ・・ミスったとこなんてゼンゼンないよ・・だからこの合併症は なにか他のことが原因じゃないかな・・・)

ジブンのせいで失敗したくないから 変わらない 変えない.
そして 停滞する.やがて時代遅れになる.
私自身は こういうループに落ちることは 避けたいと思っている.

だから いつも 失敗が最小限になるように 小さくチャレンジし続けている.手術手技を 変えている.

どうやるか っていうと まず アタマで何十回もシミュレーションする.次に解剖でトライアルする.最後に 臨床に落とし込む.

やりかたは すべてメンターに教わった.
メンターたちは すごく上手にトライアンドエラーを繰り返していた.PDCAを回していた.

だから 手術はコロコロと変わっていたよ.
でも みんな ほんと かっこいいサージャンだった.

” A rolling stone gathers no moss ” (いい意味のほうで)ってね.

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