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頬骨セットバック開発秘話

いや〜〜 この歳になって まだ手術でドキドキするとは 思ってもみなかった.
30年以上もクラニオ系のオペをやってきたんだけど
久しぶりにテンション上がるわ・・・

なぜって むつかしいし 落とし穴があるから・・
それが 福田先生と共同開発した 「頬骨セットバック骨切り術」

頬骨骨切りと云えば,いわゆるL型に切って押し込む方法.
もちろんよい術式なんだけど,どーしても解決できないことがあった.

それは 眼窩縁の張り出し.

いや これが解決しないと 仕上がりが もひとつなことが多いんだよ〜(悲)
手術してても,ジブンが納得できないから,患者さんにも申し訳ない.

で 2022年の5月くらいから 
いいかげん どーにかできないのかよっ! って急に思い立って
造医研ラボ(工房)で いろいろとやってみてたんだ.

このときは 通常のL骨切りに加えて,眼窩周辺を切り出して固定する
っていうのが 現実的かな〜 って

そんな話を福田先生にしてたら,
「あのさぁ〜 いっしょに行く予定だったけど,コロナで延期になっちゃったバンコクでの解剖,あるでしょぉ〜
あれ,再開できるって連絡があったからさぁ センセー行こうよ」 
と まさにベストタイミングでの オファーが!

じゃ そこで筋肉とか,軟部組織の追従の程度とかを 検証しよう ってことになった.

で それから ガイコツ模型をいくつも切り出したり
「彫りの深い顔にするオペだから 白人系の骸骨でチェックしよう」
てことで 集めて 比べて 切って・・・ 

アン・ハサ〇ェイのライフマスクで 眼窩縁の位置を確認したり・・・
ふたりで,造医研で 格闘してた(笑)

なんやかんやで 手応えを得たところで いざバンコクへ!!

やってきました 天下のチュラロンコン大学 サージカル・トレーニング・センター!

アシスタントのワカモノも連れて 検証に次ぐ検証!

ありがたいことに 予想通り,いやそれ以上の成果を得た.
うれしそうな面々(笑)

それからは 実際に手術で必要となる器具をいろいろと製作(@造医研ラボ)

サージカル・ガイドのドラフト・バージョン

骨把持鉗子

ガイド付きレトラクター

今は,これらの改良型を,手術で使ってる.
こいつらがないと,正直 超高難易度のオペです・・・ 

時間が とんでもなくかかったり
サイアクの場合,重要なポイントでプレート固定ができなくなったり・・・
コワイよ・・・

よい子は 見よう見まねでオペしないようにねっ!(笑)

で,臨床結果はといえば
それはもう!! ほんと いいです! 
めったにしない 自画自賛をさせてもらいますが
歴史に残る術式ですわよっ(笑)

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