教授の教授による回診・・
教授回診はだれのためだったのだろう。
これまで、自分が付いた回診の場面を思い出しても、ほとんどの患者さんはあまりうれしそうでなかった気がする。
緊張してベッドの上で正座していた方も、いらした。
医局員も、(たぶん)あまり楽しくない。
先達が指南してくれるというより、どうしてオレの方針でやらないんだ、みたいなお叱りがイヤ、という声も少なくなかった。
そう考えると、教授回診で楽しいのは、教授だけかもしれない。あるいは、一部の“お付きの人”だけだろう。
そんなわけで、ウチでは10年以上、教授回診はない。
その代わり、術前カンファでは細部まで打ち合わせをし、トラブルになりそうなケースは、早めに“教授”が対応する。
こういう場面での”教授のひとりぼっち回診”は、効く。意味がある。
たまに私一人でふらっと病棟を回ったりするが、それはナースの愚痴を聞きに行くためだ。
一人の方が、不満を拾いやすいということもある。