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顎変形症手術の功罪

下顎前突、反対咬合(受け口)、あるいは上顎前突といった噛み合わせの問題を含む、顎変形症という疾患がある。

顎の不均衡の程度によっては、外科矯正と呼ばれる手術と、歯科矯正を組み合わせる治療を行う。それで顎の骨の位置は改善され、噛み合わせもよくなる。

・・はずなのだが、時に不可思議なことが起こる。

ブラケットという歯を動かすためのアンカーを歯に取り付けているのだが、これを何度も破壊!してくる人がいるのだ。メタルのブラケットでも歯に取り付けたボンドのところで外してきたり、金属のバンドでも千切って!!!きたりする。

もちろん、故意ではない。
よかれと思って移動させる歯の動きと、本人の咬合がひどく干渉するのだ。
たぶん、われわれが考えている「よい咬合状態」とは違う暮らし方をしている人がいて、それがその方にとっての「正常」であるためだろう。

血圧とか脂質のコントロールも、あくまで平均値、基準値という概念からひねり出した、「健康にちがいない」という医療側の発想だ。だから、コントロールがすべてでないし、人生の質を考えた時に、それを行うことが「しあわせ」かどうかもわからない。
人は、そんなに単純な生き物ではない。

そんな按配なので、顎変形症の手術は、それを受けたら幸せになりそう、と思う方だけが受けるべきであろう。
なぜなら顎変形症のアスリートはたくさんいるし、プロで大活躍されている方も少なく無い。
顎変形症での機能的問題は、実は、そんなに多くないかもしれないからだ。

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