大間のまぐろ漁
大間で、まぐろ漁をしている漁師の方の仕事を、テレビで見た。
海に出掛け、一人で船を操りながら、まぐろを一本釣りする。
その日は、一匹も掛からない。
夜中に竜飛を抜け、対岸の北海道の港に移動し、仮眠を取る。
そしてまた、漁に出掛ける。
しばらくすると、海が荒れてきた。
諦めて、港に戻る。
何十日も釣れない日が続く。
海が荒れ、何日も出られない日もある。
それでも、淡々と、仕事をする。
努力を重ね、勉強を継続する。
そして、大物マグロに「選んでもらう」その時を待つ。
すべてが、自然を相手としている。
天候、潮、生き餌、そしてマグロ。
医師も、自然科学を相手にしている。
経験や知識が、治療成績の確率を高めるが、完全ではない。
だからこそ、驕らず、淡々と仕事をするしかない。
努力を重ね、勉強を継続するのも、当然だろう。
医師とは、そういう種類の仕事なのだ。
60才になる漁師の姿をみて、
私も、そんな風に仕事に向き合ってきたか、
しばし考えた。