クラニオフェイシャル・サージェリーの魅力1
「なぜ先生は、クラニオをするようになったのですか」と時々聞かれる。
「最初はいやでいやでたまらなかったんですよ〜 」と答えると一様に驚かれるが、本当のことだ。
医師になって6年目の頃だったと思う。
ようやくマイクロもできるようになって、もっともっとうまくなりたいと思っていたところに、先輩ドクターから
「すがわらぁ〜 ,今度の学会で○○について発表してくれる〜 抄録はもう書いて申し込んどいたから〜よろしくぅ〜」
と言われたのが、そもそものきっかけだった。
見たことも聞いたこともない”Pfeiffer syndromeの2例” についてだったが、「えぇ〜〜〜」という感じだった。
なぜなら、クラニオなんて症例はめったになかったし、手術は出血も多くシンドイし、そのわりにはあんまり良くならないし・・・と言った具合で、マイナーな形成外科の中でも相当マイナーな分野だったからだ。
でもそうは言っても断るわけにはいかないので、しぶしぶ発表を仕上げた。
そうしたら、それを機に年に数回あるクラニオ関係のオペに、担当医として入ることになってしまった。周囲は、あいつ、大変なところにハメられたな、と思っていたに違いない。