大好きな道具3
骨といえば、のみ、のこぎり、ドリル。
というわけで、こちらも垂涎の?道具たちのご紹介。
(一部、不適切とお感じになる表現があるかもしれませんが、外科医が「仕事で使う道具」です。
仕事の不思議さについては、こちらをご参照下さい。)
ノミ
祖父が大工だったせいもあり、小さい頃からノミを叩いていた(らしい)。
物心がついてからは、仕事用のノミを勝手に持ち出して、
庭にあったそのへんの材木にほぞ穴を掘って、えらく叱られたことを覚えている。
きれいに研いだノミの刃でも欠けたら、そりゃ仕事にならない。
たしかに日本のノミは、先端が包丁のように研いである。
木材に垂直に打ち込んでも、すっと、吸い込まれるように先端が入ってゆく。
きもちよい。
でも、このタイプのノミは骨には使えない。
硬いものに当たると、刃こぼれしてしまうのだ。
ということで、骨用のノミは、やはり舶来モノになってしまう。
石を切り出してきた歴史が生み出したノミは、骨の細工に合う。
切る、というより、くさびのように割る、という感じの使い方だ。
だから、鋼の感じも、日本のものと異なる。
やや柔らかくて、しなる感じの鋼材だ。
ドイツ鋼、スウェーデン鋼と呼ばれる焼きの入ったものが、なかなかよい。
で、お気に入りは、ライビンガー(ストライカー社)のモノ。
よいんだわ、これが。
しなり具合といい、切れ具合といい、
狙ったところにちゃんと進んで行ってくれる。
これ以外だと、滑って恐ろしいところにツッコミそうになったり・・
○○が××で**そうになって、激しく冷や汗をかいたり・・・
ですから仕事道具は、みんなの安全のためにも、よいモノを選びましょう。