外科治療のトータル・パフォーマンス
薬と異なり外科治療は、誰が、あるいはどういったチームが行うかで、成績が異なってくる。
人の手が関わるのが手術なので、これは仕方がないと思う。
ただどんな手術でも、1人のスーパードクターだけでは成立しない。
技量に合った助手やナースのサポートがなければ、よいパフォーマンスはできないし、
麻酔科の力量や、術後のケアも大きく影響する。
だからよい成績を出しているユニットは、こうしたチーム力も高いということができる。
しかし、優れた人たちばかりが揃うようなドリームチームは、そんなにある訳ではない。
できる外科医の足を周囲が引っ張っている、とか
逆に外科医は平均以下だが、アシストが優れている、といった話はよく耳にする。
こうした環境は改善しようにも、なかなか難しいのが現実だろう。
ならば、いっそのこと治療リソースのレベルを考慮した、トータルアプローチを考えた方がよいのではないか。
技術力、ケア力、サポート力、リハ力・・・といった多様なリソースのレベルと、
それにマッチした、一連の治療手段の組み合わせがあるのではないか。
さまざまな医療者が関わることの多い現代の治療では、
チーム力を最大限に引き出す治療パッケージを意識した方が、全体のサービスの質が上がるような気がする。
ただ、低いパフォーマンスに全体が引きずり降ろされるようなことは、避けなくてはならない。
なやましい問題だ。