恩返し
たしかにおっしゃる通り、本の仕事は、不思議です。
ルンルンといった楽しさではなく、なんというか、絞り出す感じなのです。
その時は結構苦しくて、もうやめようと思うのですが、
なぜかその後はすっきりと一皮むけて、次に進む気力が出てきます。
なぜ書くのかよくわかりませんが、
私にとってそれは、義務のようなものです。
今の医療技術のほとんどは、これまでの歴史から受け継いできたもので、
われわれは、そこにほんの少しの経験を積み重ねただけに過ぎません。
ですから、それらが次に受け継がれるようにするのは、義務なんだと思います。
(もらったパスは、人に出せっ! と高校のサッカーのコーチに言われたのを思い出します)
そうした意味で私が論文や本を書くのは、引き継ぎ作業のようなものかもしれません。
なんだか大袈裟になってしまいましたが
実際のところは、お世話になった形成外科に恩返しがしたい、という気持ちの方が強いです。
私自身、形成外科がなかったら、今頃グレて、フラストレーションの溜まった医者でいたことでしょう。
こんなに面白い仕事に出会えて、とても感謝しているのです。
形成外科が、これからも多くの人の役に立つ診療科であり続けて欲しいと思っています。
また、近いうちに。