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外科医のつぶやきはエビデンス・レベル6

「センセイ! 鼻に移植した軟骨って 吸収されちゃうらしい って聞くんですけど ホントですか?」
「条件もあるけど,基本的には吸収されないよ〜 子どもの小耳症治療で 50年以上の成績が証明されてるし」
「ええ〜〜 でも 吸収されるってツイッターで言ってる先生が いるんですけど・・」
「どれどれ・・ちょっとみせて・・」

なにやら専門家ということで いろいろと呟かれている.

「う〜ん これは 単なる このセンセーの印象,ご意見ですね.専門的に言えば ”エビデンスレベル6” 」
「 “エビデンスレベル6” って なんですか?」
「医学的に検証した信用度みたいなものだけど,6っていうのは最低のレベル」
「じゃ ウソなんですね!」
「いや ウソってことではないけど・・ウソかもよ ってとこかな・」

医学は科学なので,その立ち位置での検証が必要だ.
この薬がどれくらい効くのか,この外科手術の生存率はどれくらいなのか,などなど.
こうした検証に基づいて行う治療をEBM (Evidence Based Medicine) という.(詳しくはこちらから

で,医学における信頼度は 6段階に分けられてて「ちゃんとした根拠がある」というのは,レベルIII以上とされている.それ以下は信用できないっていうわけではないけど,やや曖昧ですよ〜 ってことになる.

ただ,外科治療において,レベルIII以上のエビデンスを得ようと思ったら,人体実験に近いことをやらなくちゃいけないので,実際はなかなかむつかしい.

それでもよい論文では,できるだけ条件を揃えたうえで比較してたりするので,個人的には,レベルIV でもそれなりの根拠がある,と思っている.

「じゃ,エビデンス? ってことでは 吸収されないんですね.よかったぁ!」
「いや ただね・・移植の条件っていうのがあって・・・」

そう言って,しばし,遊離組織移植の移植床により異なる生着率について,説明した.

「う〜〜〜ん・・わかんないですけどぉ〜 結局 吸収されるんですか,されないんですか?」
「だから,その 条件で変わるんだけど,まあ基本はされない・・って・・」
「やっぱり されないんだー.よかったぁー」
「・・・・・」

いや ほんと 医療の不確実性ってのを わかってもらうのは 大変ですわ・・・

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