PRS Picks 2110
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PRS journal 今月のPicks
さて今月も さっそく いってみましょう
まずは トルコからrevision rhinoplasty について.
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2991名のopen rhinoplasy 患者のうち,修正を受けた252名の患者の分析.
気になる再手術率は,324名とのことなので,10.8%になる.
このあたりは,ほぼ常識的なラインかと思う.(個人的にも安心したわ・・)
で,再手術の3大理由は,鼻先の回転不足(37.7%),columellaの垂れ下がり(30.2%),supratipの変形(28.6%)だったとのこと.
これは middle eastern の鼻だから,upturn rotaion が足りないということですな ふむふむ・・・
そんで,ロジスティック回帰分析をしてそれぞれの原因を探ってみると
1.Tip under rotationにおいては,strutは,tonguein-grooveに比べてそのリスクが5.3倍に増加した.また術前のtip projectionが不十分だと,このリスクがさらに2倍に増加した
2.Hanging columellaについては,40歳以上であると,リスクが6.8倍に増加し,さらに tongue-in-groove法の代わりにstrut graftingを使用することで,このリスクは5.9倍に増加した
3.Supratip deformityにおいては,tongue-in-groove法の代わりにstrut を使用すると,そのリスクが2.2倍になった
結論としては,安定した長期結果を得るためには,tongue-in-grooveがお勧めってことで
いや〜〜〜 正直,そうだよねぇ〜 そのとおりだよね! って感じで またまた裏付けが取れました.
ありがとうございます!
なかなか よい論文でした.
一読の価値ありです.
つづいては fat graftのテクニックについての CME.
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ほぼほぼ 現在の常識を網羅した良質なCMEコンテンツでした.
ワタシの行っている Telfa もその一つとして記載されていて,思い起こせば 2004年のASPS @Piladelphiaで初めてColeman 先生のプレゼンを聞いて以来,いろいろと変遷があったなぁ〜としみじみ.
そのときは,NYの一開業医が何言ってんの〜〜 っていう雰囲気で,かなり眉唾もん扱いされてたので,よく憶えている.
かつてはざっくり採取して,そのまま移植とか,とにかく遠心でガンガン回して脂肪純化してたもの.(もちろん今も遠心法はよい方法ですが,回転数がかなり抑えられてます)
で,ひとつ 気になったのが
“lipotumescence”
えっ なにこれっ でしょ.
water-based fat harvesting techniques provide dilute fat with very little particulate matter. These characteristics are ideal for fat infiltration to the neck.
ということで,実際の動画で紹介されています.
こんなに薄くていいの? と思いますが,もはや脂肪を入れて生着させる という発想ではないんですね,時代は.
まだまだ 目が離せませんわ
最後は,形成外科医と特許についての提言.
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他の診療科にくらべて 米国形成外科医の特許数が とても少ないことを受けて,これからどうしていったらいいのかを述べたもの.
具体的な方法については,あまり述べられていないのだけど,背景には医科の中における診療科としての立ち位置を かなり意識したものなんかな〜 と感じられるものでした.
たしかに今の美容外科でつかってる多くの治療機器,脱毛とかシミ取りレーザー,さまざまな糸,インプラントとか,イスラエル,韓国系がかなりの割合を占めてると思う.
こと医療において,安全志向の強い日本の土壌だと,企業もなかなかチャレンジしにくいから,仕方ないのかもしれないけど・・・
大学時代に,50μのhydroxiy-apatite 含有のヒアルロン酸の試作をあるメーカーとやってて,良い結果も出てたんだけど,結局最終的にはゴーサインが出ずお蔵入り.
その後,ほとんど同じコンセプトの製品,RadiesseがMERZ社からFDA認可下で発売され,う〜〜〜〜〜んと唸った思い出あり(笑)
日本だと とにかく この認可というのに,ほんとお金と時間がかかるから,二の足を踏むのも頷けるけど,海外で認可受けるのもそれなりにシンドイからなぁ〜 提携したら持ってかれそうになったという話も聞くし・・