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変装

私は、中学生以降、自分を見つめたり、自分を探したりしていない。
ただ、どう見られているかということは、ときどき考える。

20年ほど前に出版された、「スーパー変装計画」という本がそれを教えてくれた。

今は、文庫版で手に入るようだ。

いちど変装をしてみたかった (講談社文庫)

いちど変装をしてみたかった (講談社文庫)

著者が、様々な格好に変装し街を歩いたり電車に乗ったりして、周囲の反応を記録したモノだ。

世間の反応は、おもしろいほどステレオタイプなことがわかる。
ABO血液型性格判断のように、見た目で分類し、そこに当てはめることで安心するかのようだ。

ただ、そうでない人たちも居る。
奇抜な格好にも、平静に対応する。

一方、変装によって、著者の行動や仕草のパターンも変化するのが面白い。

夜間道路工事明けの土木作業者として、軽い酔っぱらい風で遅い朝の時間に山手線に乗り込む。歩き方が地下足袋風がに股になる。姿勢がやや猫背になる。電車の端の席であぐらをかく。自分や他人の動作にいちいち、独り言をいう。平気で鼻くそをほじったり、股間を掻いたりする。

こうしてみると、人間はつくづく社会的な生き物なんだな、と思う。
だから、みんな服を替え、態度を変え、適切な言葉を使い分けながら、社会を生きている。

ただ、それはどう見えるか、ということであって、
どうあるか、ということがドミナントである。

でも、どうあるかというのも、日々変わるからなぁ。

そう考えると、見た目が一緒でも、中身がどんどん変わってゆくことが、一番怖いかもしれない。

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