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マルコヴィッチの穴

手術を進めて行くためにはいくつもの手順があり、それらがスムースに連動する必要がある。
これは、参加者が増えれば増えるほど難しくなる。
一人でやる局所麻酔の手術(参加者1~2名)より、3人で行う全身麻酔の手術(参加者5~7名)の方が連携を維持しづらいということだ。

実際の手術では、オペレーター以外に仕事をサポートしてくれるさまざま人がいるが、なかでも助手の力量は、手術の遂行に大きく影響する。

助手にはさまざまな役割があるが、すべては手術のプロセスを共同で遂行するという目的に帰着する。しかしプロセスの内容のすべてを助手が理解することは容易でない。なぜなら執刀医の役割を演じたことがないからだ。これは仕方の無いことではあるが、これから執刀医になる可能性のある助手は、術者の視野と同期した画像を描けるような想像力を養う必要がある。
イマジネーションの乏しい人は、残念だがよい外科医にはなれない。

スパイク・ジョーンズの「マルコヴィッチの穴」のような具合はちょっと困るが、それでもいいから頼むぜ! と思うこともある。
連携は難しい。
異なる個人だから、しょうがないんだけどね。

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