規則
どうもね、なんだか規則ってものがいったい誰のためにあるのか、よくわからなくなることがあるよ。
前にいた所がそうだった。
たくさん規則があって、そのおかげで時間や行動が制限されて、ほんと居心地が悪かった。
でも不思議だったのは、なんのためにそういう規則ができて、それを守ることになったのか、よくわからなかったことだ。
「それは、○○のためだよ、きまってんじゃん」としたり顔でいう人もいたけど、○○のため の元をただして行くと、なんだかよくわからなくなって、結局そのしたり顔のひとも黙り込んでた。
規則を守っても、だれも幸せにならない、という規則があればそれは守らなくても良いし、そもそもそんな規則は不要だと思った。
今のところはあんまり規則らしいものはない。
だからとても自由で居心地がいいんだ。
まあ規則がなくてもみんなちゃんとしてる、っていうのがベースにあるのかもしれないけどね。
でも規則は少なくてもうまくいくんじゃないかと思う。
フットボールのルールはとても少ないけどとてもうまくできたゲームだよ。手を使っちゃいけないというのと紳士的でいろ、というだけだ。オフサイドはゲームを面白くするためのルールなので、ほんと自由だなと思う。
たまにルールを厳しく解釈するレフリーがいてレッドカード続出という試合もあるけど、そういう試合に限ってマナーの悪いプレーが多いような気がする。マナーが悪いからレッド一発退場なんでしょ、という人もいるがそうじゃないような気がする。規則ってのは厳しくすればするほど破りたくなる。
だって僕だって高校生のころのあの生徒手帳の規則なんて大嫌いで、たくさんの規則を破ってた。でも制服で喫茶店に行ってブレンドコーヒーを飲みながらみんなでどのクラスの女の子が一番かわいいかとか、今度の休みにあいつんちで麻雀をやろうかとかを2時間くらい話して、そのあと店を出てからわざわざ日活の前の道を遠回りしながら本屋に行って立ち読みをしてから、自転車に乗ってじゃあねと帰るだけだった。たぶん誰にも迷惑をかけていなかったと思う。
でもそれが見つかって生徒手帳の8ページから9ページに書いてある規則に違反したってことで、担任の地理の教師に叱られた。友達はなんだよーあいつら、といってそれからだんだんと制服の形が変わっていって喫茶店に行った時にタバコを吸うようになった。
「制服で」したことが違反で制服じゃなければ違反じゃないってことが、ぜんぜんわからなかった。青いなというしたり顔のヤツもいたけど麻雀もトリュフォーの映画もツェッペリンのことも知らないやつらだった。
だから規則ってそんなもんなんだよ。