大好きな道具4
ドリル・アンド・ソー
これは、もう私にとっては、苦楽を共にした相棒のような存在。
ほんとに、いろいろとありがとーーー! という道具だ。
良い機会なので、ちょっと遍歴を振り返ってみますね。
1986-
架台にモーターを吊して、そこから回転ワイヤーが降りてくるタイプ。
ハンドピースは重いし、取り回しも悪い。
ワイヤーがギュンギュウン唸るし、骨を切る音と混ざると、この世のものとは思えない恐ろしさだった。
まあ、これでも先輩ドクターたちは、たくさんの手術をやってた。
この重さじゃ、自分は無理だ、と思っていた。
音もね。
1990-
エアートーム。圧縮空気でタービンを回すタイプ。
脳神経外科が開頭でよく使っていたものに、レシプロなどを付けたモノが多かった。
HALL のものを使っていた。
戦闘機のような、キューーーン、シュウーーーンという音がする。
10万回転と圧倒的なスピードで、ガシガシなんでも削れた。
でも、トルクが弱く、よくスタックしてた。
イリゲーションが悪くて、バーを折ることも多かったと思う。
高回転が故に、反動も大きく、恐ろしい場面を幾度か経験した。
(つづく)