1. HOME
  2. ブログ
  3. 月夜のできごと

月夜のできごと

30年以上、車を運転しているが、こんなことは初めてだった。

新しい車で、快適にドライブしていた。
緩やかなカーブが続く、山間の高速道路だ。

ガラス・サンルーフ越しに、月明かりが差し込む。
「よいな。。。うむ。。よいぞ」

ハンドル越しに伝わる路面の振動を感じながら、自在なトレースを楽しんでいた。

その時だ。
何の前触れもなく、アクセルのパワーが一瞬、途切れた。
「・・・ん・・」

イグニッショントラブル? ターボラグ?
不安が、かすかによぎる。

少しレスポンスを取り戻したかのように感じたが、今度は
“ぶす、ぶす〜〜〜ぅ、ぶすっつ!”

・・・!・・あかん、これ、ガス欠じゃ!

これまでバイクでは、2度ほどガス欠を経験しているので、それが何なのかはよく知っている。
(そのときは、友達と走ってたので、タンクから分けてもらって事なきを得た)

ただ、それにしてもメーターはゼロのちょっと前だし、補給ランプもついてないし・・・なんでなん

しかし、そんなことを言っている場合ではなかった。
事態は深刻だった。

車の速度は、刻々と低下してきている。
ちょうど車線が1つになり、ここで止まると、ちと面倒だ。
高速での車の停止は、大事故につながりかねない。
車外に出るのも、命がけだ。

エコノミーモードに切り替え、いつでも車線を外れられるように腹を据える。
たしか、インターチェンジは近いはずだ。

○○出口 1km!!
おお、なんと、まんまみーあ!
出てしまえばなんとかなる。

ぶすぶすぶすす・・すす・・・う・・

幸いなことに料金所手前30mで、完全停止。

その後はレスキューにガソリンを持って来てもらい、息を吹き返すことができたが、
車のガス欠が、思いの外、厄介なことがよくわかった。

でも、今回、久しぶりに車を手で押したけど、学生のころに友達の下宿から帰るとき、
バッテリーが上がっていて、押しがけしたことを思い出した。

ちょうど同じように、冬の近づいた、月の明るい夜だった気がする。

関連記事