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老眼鏡、戻る

気がつくと、いつもの老眼鏡が見当たらない。
どこかに置き忘れてきたようだ。

老眼鏡には、かれこれ10年ほどお世話になっていて
手元には4つほどあるので、さほど困るわけではない。
ただ、一番長くお世話になっているものだったので、なんだか落ち着かない。

これが一番しっくりとアタマに収まる(外した時の置き場)、ということも大きい。
新しいのは、ずれやすいし、ちょっと痛かったりもする。

記憶をたどってみると、大学からの帰りに、
電車の窓枠に置き忘れたような気がする。

早速、JRの忘れ物センターに問い合わせてみると、
似たものがあるらしい。

ただ、係の人は黄色だという。

きいろっ! 

そんな派手な眼鏡は掛けた記憶がない。
自分では茶色だと思っていたが、そういえば、
からし色が少し交ざっていたような気もする。

とりあえず取りに行く手続きをしたが、保管場所が
宇都宮の警察署ということで、なかなか行けずにいた。
(終着駅の管轄のようだ)

2ヶ月過ぎた頃に、時間が取れた。
引き取りに行くタクシーの中で、なんだか、そわそわする。
めがねごときに・・だ。

おおー、これだ。
久しぶりに手にしたマイ眼鏡。

うん、うん、やっぱりアタマにもビタッとはまるぜ。

でも、この2ヶ月お世話になった、最近の軽い眼鏡に慣れてしまったのだろう。
今は、食卓の上に置いてあって、ちょこっとした場面で使う役どころに収まっている。

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