人の技
私は、手術が好きだし、幸いあるレベルの結果を出せる力量も持ち合わせていると思う。
しかし、神の手などと言われる筋合いは、まったくない。
揶揄して言っているのだろうが、勘弁して欲しい。
まだまだ思うように行かないことが多くて、未だに「どーしてできんのじゃ!」と悔しい気持ちになることもしばしばだし、その時ばかりは、患者さんにも申し訳ないと思う。
手技にしても、よりよい結果を求めて、少しずつだけどずっと変わり続けているのだから、完璧ではない。
手術は、人がひとに施す技であって、決して願いを叶えてくれる神様の施しではない。
そう思いたい患者さんの気持ちはよくわかるけど、神格化したり、されたりというのは、双方によろしくないだろう。
少なくとも私の技術は未完成だし、その日の調子の良し悪しなどもある。
結果に影響することもあるし、しないこともある。
そういう外科医だと思っていただいた方がよい。
ただ努力とこだわりを継続している矜持は、持っている。