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わたしの美容外科修練 その5

2007年に教授になって 大学の管理業務や 対外的な仕事(政治的な)も増えてゆくなかで さすがにこのペースで美容外科をやっていくのはしんどい と感じ始めてた

それで 手術もひととおり あるレベルでできるようになっていたこともあって 2008年には 個人の美容外科クリニックの勤務だけを残して あとはすべて 整理することにした

ここで私の美容外科修練 という旅は おしまい

こうして振り返ってみると 形成外科医のバックグラウンドが かなり役に立っていたんだなぁと思う

実際のところ 顔面神経麻痺の治療とか 顔面骨骨折 骨切り 眼瞼下垂 口唇裂など それぞれのアプローチやら再建を通じて 基本的な手順から解剖まで習熟できたし 外傷治療を通じて 感染のメカニズムや対処法 また血行障害による皮膚壊死なども経験できた

逆に言えば こうした経験は美容外科では ほぼできない(できたら 怖いよ)

長い皮切や広範な剥離をすることは少ないので 3次元的な解剖を理解するのは容易ではないし 確立された手技のなかでまちがいなくやってくるというスタンスで 感染や壊死を経験することもない

単にある手技ができるのではなく トラブルシューティングを含めた習熟が 患者さんに向き合う外科医の努めだと思う

それから 継続的な自己学習のためには 英語論文が読めるのは必須だし 海外の学会のプレゼンテーションをある程度 聞き取れる力もつけた方がいい
英語力は努力すれば向上するので 苦手で・・・というのは言い訳に過ぎない
なんなら 1年に1回くらいは 英語で発表して 苦しさと恥ずかしさを経験すれば すぐに上手くなる

そして なにより さまざまな経験をシェアできる仲間をもつことは 大切だ
形成外科をするだけなら 医局というギルドが機能しているので なんとなく居るだけでもいいだろう
教育体制が確立しておらず 個人プレーが主になる美容外科では 積極的にそうしたつながりを持ったほうがいい それは 国内だけでなく 海外にもだ
ありがたいことに わたしは仲間に恵まれていた いまでも すごく感謝している

最後に 修練時代にお世話になったクリニックと 経験した症例数を列記しておきます

これから美容外科を始めようと思っている若いドクターの参考になればいいかな

リッツ美容外科 コムロ美容外科 共立美容外科 神田美容外科形成外科医院 慶友形成クリニック

Blow lift : 50

Blepharoplasty : 240

Rhinoplasty : 450

Facial bone contouring : 440

Orthognathic surgery : 120

(2000-2008)

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