1. HOME
  2. ブログ
  3. Journal Picks
  4. SURGEON
  5. PRS Picks 2107

PRS Picks 2107

PRS journal 今月のPicks

なんか すごい 表紙なんだけど・・・
75周年ってことに加え,インパクトファクターが,また上がってるってんで,お祭りなんかな?

ということで まずは イタリアからの「ピサの斜塔コンセプト」! なにそれ!

読んでみると,斜鼻に対して,いわゆるpreservation rhinoplasty を行ったけど,結果はバッチリ というもので 正直 ピサの斜塔コンセプトってほどでもないんじゃないの って思ったわ?・・・

錐体部の長さ違いを let down/push down で改善するっていうアプローチ自体は べつに新しいものじゃない.けど,そいつをピサの斜塔に例えたところが,アクセプトの理由なのか?? ま ええけど.

ちょっと心配になったのは,septum をkey stone, perpendicular, vomer からすべて切り離して,swinging door にするってとこ・・・
それって,支持性大丈夫なの っていうのと,septum 自体の変形があったときにはどうするの っていうのがあるけど,案外シンプルにいけるのかもしれない.

ただ,骨の切除量の平均が9ミリ!  いや どんだけデカいの〜! 
オンラインの手術ビデオも,でっかいリウルで ガシガシって感じでやってて・・ おそるべしイタリアン・・・

次は マイアミのDr. Afrooz.
Lateral dormal translocation and medial transection って? うん なにそれ?

う〜〜ん 正直よくわからん・・lateral stealとmedial shortning でしょ〜 そいつを ちょっとやり方を整理すると,信頼度の高いdeprojection の manuever になると?

ごめん..2回読んだけど それでもネーミング,コンセプトがわからん・・ special topic というのも気になるし,Toriumi がdiscussion に参戦してないのも・・・既読スルーと思うわ・・・オトナの・・・

お次は CAD CAM は 再建手術にどんだけ効果があるのか っていうメタアナリシス.

結果は やっぱり 時間とフラップの阻血時間を減らすってことで,十分なエビデンスが取れました.
時間で言うと いずれも60~90分ほど!
コレってけっこうな 長さですよ〜 
いや 再建のオペって そもそも6〜7時間かかるものも少なくないから,60分っていうと,まあたいした時間じゃ〜 って思う外科医もいるかもだけど,年間30例もしてたら,まる1日分以上になる.
手術が好きな外科医が多いから,好きな手術時間が減る(笑)っていうかもだけど,患者さんの負担や手術コストを考えると短いに越したことはない.

現状の問題は7000ドルかかるコストだけど,1/10になると完全にペイするとのこと.ムーアの法則を考えれば,もう時間の問題だろうな〜.いやもう外科は テクノロジーでしか発展できないよ,ほんと.

お次は どうしたら 患者 とくに子どもの身体的負担や医療コストを減らせるでしょうか っていうもの.

子どもの頭蓋再建後にルーチンに撮影しているCTスキャン.これってどんだけ意味あんの? ということで,548件の術後CTを小児放射線専門医がチェックしたところ,異常所見は,36件(6.5%)あって, そのうち追加の観察や医療介入が必要だったのは,3件(0.55%)しかも手術室に行ったのは1件だけだった というもの.
ルーチンで撮ってるけど,ほとんど異常は生じていない.そうなると99.5%のこどもは,不要なCT撮影を受けている ということになる.

このあたりは,国の事情(医療制度や民意,文化)によっても異なるから すぐに導入というわけにもいかないけど,ワタシは好きな発想です.

最後は,けっこう衝撃的なやつ.
AI による顔の年齢は 患者満足度と比例する っていうもの.

フェイスリフトの効果って もちろん若返りなんだけど,それって実際どれくらい若返るの? ていうのは意外にわかってない.アタシが実際にオペしての実感だと,5歳くらいかな〜 術前の雰囲気にもよるけど,眼瞼とか複合でやって10歳くらい?

しかぁーし!  AIが このあたりをバッチリと示してくれましたわよ.おほほーっ

まずは,4つのneural network を使って,どれだけ正確に実年齢を示してくれるのかを テスト.

いや すごい精度やん!! 
100を正確な年齢としてグラフ表示してみると,平均で100.8! ほぼ完璧. IBMなんぞ,97.9 っていう絶妙に いい感じのところを出してくる(ほんとはわかってるけど,わずかにサバ読んであげるって(笑))

で このneural network を使って 術後患者の評価をしてみると・・・

なんと -4.27歳!  
う〜〜ん なかなか キビシイ評価じゃなぁ〜 

しかし 安心してください.患者さん本人の評価は,-6.71歳と うれしい結果に!

まあ 食事の味も 会話や場の雰囲気で変わるのといっしょで,実際の形態的な変化に加え,なんらかの要素が自己評価を上げているんだろうと思う.もちろん良いことだけどね.
しかし・・・ おそるべし AI・・・

関連記事