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PRS Picks 2201

PRS journal 今月のPicks

さて今月も さっそく いってみましょう!

まずは ピエゾに関するメタアナリシス.

そもそもが,著者たちが ピエゾって そんなにいいんかなぁ〜〜 っていうとこから始まったよう.
いや それってわかるわ・・
これぞピエゾで! っていう場面がある一方で,たしかに血は出にくいかもしれないけど,時間かかるので結局総量はいっしょじゃないの? って思う場面もすくなくない.

で結果はどうだったかというと,39編が対象にあがり,50%以上がここ5年以内の論文.
ふむふむ・・

SSROで知覚障害の発生が少ない,痛みが少ない・・
ほうほう・・

ほか,作業時間には有意差がない
出血,腫れ,患者満足度,費用対効果などは不明

いや,なに・・これじゃ どっちなんか,よくわかんない.メタアナリシスなんだけど・・

エビデンスレベルは,7割近くが3以上なので,良質な論文が多いのだろうけど,著者も言っているように「ピエゾ」の切り口ではなく,「ある分野でのピエゾ」という分析のほうがいいんじゃないかと.
それだとちょっと論文が少ない感じだけどね.

でも,鼻の骨切りや歯槽部の骨切りなんかは,もうピエゾの独壇場だし,
機器の進歩は早いので,そのうちモーターソーは消えるかもね.

続いては,フェイスリフトの論文.

大御所 Mendelson のところからの,アジア人に対してComposite Face Lift の効果を検証したもの.

結果は・・良い・・ってことなんだけど・・・
う〜〜ん 正直 おおーーーーっつ って感じではない.

イラストは あいかわらず スーパークリアでコンセプトは,ばっちり伝わる.
でも なんか ひっかかるんだわ・・・

かつて,Ramiratzが Endoscopic forehead lift で示したように composite の意義はわかるんだけど,AgingがSub SMASだけでなく,皮膚にも筋肉にも,そして骨にも及んでいるのに,compositeであろうが,一方向に引いて改善するというアプローチでよしとするのが どうしても腑に落ちない・・・

フェイスリフト系の論文は 未だに難しいわ・・

で,つづいても,フェイスリフトなんだけど,Feminization において考慮すべきこと っていうやつ!
わお〜〜〜

当然と言えば当然なんだけど,cismale, cisfemaleとで 解剖,治癒機転,ホルモンなど 違いは少なくなく,そうした条件を考慮して外科的アプローチをすべし ということが 事細かく記載されている.

まだまだ日本では それほど多いアプローチではないけど,ほんと,時代と治療は広く深く なっていくのね・・・とあらためて思いました.

Iatorgenic jowling といえば,エラオトガイ輪郭形成でも ほぼ同様の変化が生じるので,韓国では facial contouring と同時にFLを行うクリニックも少なくないと聞く.

でも,やっぱり腫れとかのマネージメントがキビシイし,論文でも2 stage approachが推奨されるとのことでしたわ.

最後は 企業から金銭的サポートを受けている形成外科医って どんな人たちなんでしょ? っていうレポート.

いや,こいつが掲載された背景が知りたいくらいだけど・・・
10年前から 接待や献金などの報告義務が生じたとのことで,2013年からの6年分の報告を分析してみたらしい.

そうすると なんと,企業サポート総額の52%が,わずか1%の形成外科学会員に渡っている,という結果に.
つまり,影響力があると思われている ごく一部の外科医に企業がアプローチしている,という実態が見えてきたというわけ.

まあ ありがちな話ではあるけど,いかにもアメリカ的といえばそうだし,学術といえどもそうしたバイアス下にありえる,ということでもある.

Considerable heterogeneity exists when accounting for payment subcategories.
という記述が 気になりましたわ.


そんなわけで 2022年最初のPRSでございました.

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