PRS Picks 2107
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PRS journal 今月のPicks
なんか すごい 表紙なんだけど・・・
75周年ってことに加え,インパクトファクターが,また上がってるってんで,お祭りなんかな?
ということで まずは イタリアからの「ピサの斜塔コンセプト」! なにそれ!
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読んでみると,斜鼻に対して,いわゆるpreservation rhinoplasty を行ったけど,結果はバッチリ というもので 正直 ピサの斜塔コンセプトってほどでもないんじゃないの って思ったわ?・・・
錐体部の長さ違いを let down/push down で改善するっていうアプローチ自体は べつに新しいものじゃない.けど,そいつをピサの斜塔に例えたところが,アクセプトの理由なのか?? ま ええけど.
ちょっと心配になったのは,septum をkey stone, perpendicular, vomer からすべて切り離して,swinging door にするってとこ・・・
それって,支持性大丈夫なの っていうのと,septum 自体の変形があったときにはどうするの っていうのがあるけど,案外シンプルにいけるのかもしれない.
ただ,骨の切除量の平均が9ミリ! いや どんだけデカいの〜!
オンラインの手術ビデオも,でっかいリウルで ガシガシって感じでやってて・・ おそるべしイタリアン・・・
次は マイアミのDr. Afrooz.
Lateral dormal translocation and medial transection って? うん なにそれ?
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う〜〜ん 正直よくわからん・・lateral stealとmedial shortning でしょ〜 そいつを ちょっとやり方を整理すると,信頼度の高いdeprojection の manuever になると?
ごめん..2回読んだけど それでもネーミング,コンセプトがわからん・・ special topic というのも気になるし,Toriumi がdiscussion に参戦してないのも・・・既読スルーと思うわ・・・オトナの・・・
お次は CAD CAM は 再建手術にどんだけ効果があるのか っていうメタアナリシス.
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結果は やっぱり 時間とフラップの阻血時間を減らすってことで,十分なエビデンスが取れました.
時間で言うと いずれも60~90分ほど!
コレってけっこうな 長さですよ〜
いや 再建のオペって そもそも6〜7時間かかるものも少なくないから,60分っていうと,まあたいした時間じゃ〜 って思う外科医もいるかもだけど,年間30例もしてたら,まる1日分以上になる.
手術が好きな外科医が多いから,好きな手術時間が減る(笑)っていうかもだけど,患者さんの負担や手術コストを考えると短いに越したことはない.
現状の問題は7000ドルかかるコストだけど,1/10になると完全にペイするとのこと.ムーアの法則を考えれば,もう時間の問題だろうな〜.いやもう外科は テクノロジーでしか発展できないよ,ほんと.
お次は どうしたら 患者 とくに子どもの身体的負担や医療コストを減らせるでしょうか っていうもの.
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子どもの頭蓋再建後にルーチンに撮影しているCTスキャン.これってどんだけ意味あんの? ということで,548件の術後CTを小児放射線専門医がチェックしたところ,異常所見は,36件(6.5%)あって, そのうち追加の観察や医療介入が必要だったのは,3件(0.55%)しかも手術室に行ったのは1件だけだった というもの.
ルーチンで撮ってるけど,ほとんど異常は生じていない.そうなると99.5%のこどもは,不要なCT撮影を受けている ということになる.
このあたりは,国の事情(医療制度や民意,文化)によっても異なるから すぐに導入というわけにもいかないけど,ワタシは好きな発想です.
最後は,けっこう衝撃的なやつ.
AI による顔の年齢は 患者満足度と比例する っていうもの.
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フェイスリフトの効果って もちろん若返りなんだけど,それって実際どれくらい若返るの? ていうのは意外にわかってない.アタシが実際にオペしての実感だと,5歳くらいかな〜 術前の雰囲気にもよるけど,眼瞼とか複合でやって10歳くらい?
しかぁーし! AIが このあたりをバッチリと示してくれましたわよ.おほほーっ
まずは,4つのneural network を使って,どれだけ正確に実年齢を示してくれるのかを テスト.
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いや すごい精度やん!!
100を正確な年齢としてグラフ表示してみると,平均で100.8! ほぼ完璧. IBMなんぞ,97.9 っていう絶妙に いい感じのところを出してくる(ほんとはわかってるけど,わずかにサバ読んであげるって(笑))
で このneural network を使って 術後患者の評価をしてみると・・・
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なんと -4.27歳!
う〜〜ん なかなか キビシイ評価じゃなぁ〜
しかし 安心してください.患者さん本人の評価は,-6.71歳と うれしい結果に!
まあ 食事の味も 会話や場の雰囲気で変わるのといっしょで,実際の形態的な変化に加え,なんらかの要素が自己評価を上げているんだろうと思う.もちろん良いことだけどね.
しかし・・・ おそるべし AI・・・