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オペの生産性

ずいぶん前から働き方改革が叫ばれていたけど このところのコロナの影響もあって リモートを含めた多彩な関わり方が提案されてる.

医療は現場での仕事がメインになるから あまり関係ないと思われるかもしれないけど 実際はリモートの診察や遠隔診断といったものが 今後は一般的になっていくだろう.

でもそんなことより 離れることのできない現場における仕事への関わり方を改善したほうがいいと思ってる.

たとえば 大きな病院にいくと とにかく待たされることが多いし 予約制が意味をなさなかったり 手続きが煩雑だったりする.

長く大学病院に籍を置いていたので その辺の事情はよくわかるけど 理由は やることを増やすが やらないことを増やさないこと.もう一つは 生産性という発想がないことにつきる.

医療はそもそも複雑系サービスなんだけど 安全という要素が必須なので さまざまなチェックが必要になる. ただなにも考えずにこれを増やすと とんでもないことになる.
チェックが多すぎるので チェック漏れが増える.そうすると今度はチェック漏れがないかどうかを チェックする.そうしてまたチェック項目が増える.それでも漏れが生じるので しまいには がんばりましょう!気をつけましょう! となる.

ヒトが間違えないボリュームなんて決まってるから 複雑な作業工程をモジュール化するとか 規格化するとかでチェックを減らせばよい.でも なぜかそちらの方向に現場は向かない.(健全で真面目な人たちが多いからだと思ってる・・複雑な気分だけど)

もうひとつは 生産性という発想だ.

美容外科のパートタイム・ジョブを始めたときに 驚いたことがある.
初日に 事務の女性から1枚のリストを渡された.
そこには 施術がずらっと100個ほど書かれていて 横をみて行くと「できる・できない」「ひとりでできる・助手が要る」「予定施術時間」「合併症率」などを書き込むようになっている.

実際こういった視点から自分のスキルを評価したことなんてなかったから ちょっと戸惑った.しかし クリニックにとって ひとりの医師のオペの生産性を把握することが重要なのは すぐにわかる.
それは利益率といった側面だけでなく 安全性といった点でも同じだからだ.言葉だけを聞くと ちょっと医療には馴染まない感じがするかもしれないけどね.

でもちょっと考えればわかる.手術の良否は 仕上がりの質と合併症率と 時間のバランスだってことが.

だから今のアタシの現場は 先進的に改革済みホワイトかもしれない.
スタッフのクリニックへの関わり方から 運営方法 もちろん患者さんへのサービスも.
ちょっと さっぱりしすぎてる と感じる人もいるかもしれないけど まあそれはひとそれぞれだからね.

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