小さな私の時間
苦しい時がある。
どうしたらよいのか、わからなくなる時がある。
そんな時は、いつもと違う時間に、いつもと異なることをする。
平日の午前中を休む。
9:25 ぬるい朝風呂に入り桃のジュースを飲む。
9:55 お湯を沸かし深煎りコーヒーを淹れる。
10:15 近くの神社を散歩する。
10:55 デパートのペットショップを覗く。
11:25 駅裏の中華料理屋で、天津飯を食す。
12:00 人気のない西口銀座をうろつく。
12:23 iPodでマーラー交響曲第5番嬰ハ短調アダージェットを聞きながらいつものJRに乗って、職場に行く。
あるいは平日の午後を休む。
12:45 科学博物館に入り動物の剥製を見る。
13:30 鰻丼を食べる。肝吸も。
14:15 公園に行き鳩を見る。えさをあげてもよい。
14:50 人気のブティックに行き試着。シャツを買う。
16:00 本屋に行きコアな本を立ち読みする。「虫を食べる文化誌」など
17:10 ホテルのバーに行き、マティーニとギムレットを飲む。
18:15 夕日を見ながら、帰る途中でチーズとワインとオリーブを買う。
それでもなら、ランダムに繰り返す。
休めないというのなら、大海原に自分の涙がこぼれ落ちる絵を思い浮かべる。
半日休んでも、周囲の日常はなにも変わらないことを、知る。
- 作者: 梅谷献二
- 出版社/メーカー: 創森社
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