SHARE IV
SHARE IV を、いつもの秋葉原で行う。
今回は、唇裂がテーマだ。
東北大の今井先生、北九州市立八幡病院の田崎先生、信州大学の杠先生に講演をお願いした。
唇裂の手術は、ほんの1mmのデザイン違いが大きな変化となって現れる、ほんとにビミョーな世界だ。
もちろん術者は、このささやかな違いにこだわりを持って、治療に当たっている。
このあたりの事情は、学会のわずか5〜6分の口演で理解できるものではない。
だから、今回は、内視鏡を使った接写で、オペの隅々まで見せて頂くことにした。
みなさんのオペのレベルが高く、またビデオのクオリティーもすばらしかったので、それぞれのアプローチの違いがすみずみまでわかる、とても貴重な集まりになったと思う。
手術動画の撮影がラクでないことは、一度でも経験したことのある外科医ならよくわかるだろう。
わずか5センチ四方の術野の撮影には、近くにカメラを寄せるか、相当のズームで迫るしかない。いずれにしても、頭をカメラにぶつけたり、術野に被ってるのを気にしながらオペをしなければならないので、ストレスがかかる。
しかしそのあたりは、皆さんエキスパートなので、すんなりこなして下さったようだ。
それにしても、よい手術をこれほどまとめて見られるチャンスは、なかなかない。
おかげで、個人的には、たくさんの「謎」が解明された。
Millard法は、なぜ1960年代を席巻し、50年もの間、発展したのか。
三角弁法に比べ、どうして多くのフォロワーを獲得することができたのか。
結果の良し悪しは、どこを見て感じることなのか。
不自然さは、いったい何がもたらすのか。
歴史をたどることにより、治療コンセプトの変遷とその意義がよくわかったし、さまざまな勘違いと思い込みが、手術のコンセプトを全く変えてしまうこともわかった。
Share Heterogeneous And Revolutionary Experience!
参加下さったすべての方に、深謝です。
ほんとうに楽しい集まりでした。
SHARE V は、10月予定です。