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PRS Picks 2112

PRS journal 今月のPicks

さて今月も さっそく いってみましょう!

まずは CLD Rhinoplasty に関する論文.

かの Turkish delightで Diced costal cartilage graft の先鞭をつけた Erolの論文だよ!

今回は,CLDに対し Diced cartilage によるparanasal augmentation に加え,SPRING GRAFT と称した新しい方法の紹介なんだけど・・・

いや〜〜〜〜 ちょっとこれ・・・・ 正直どうなの? って感じだわ.

たしかに写真でのResult は悪くないんだけど・・・けど・・・

動画を見る限りは,おそろしい位置でのTajima incision から,ライニングとか無視?した感じの皮膚切除になって,最後は そのスプリングをムリクリ押し込むアプローチ・・・・

う〜〜ん ウルトラCなのか,はてまた トンデモなのか?

ちょっと評価しづらい論文でしたが,半年でアクセプトされてるとこをみると,まあpediatric だからかな〜 と穿っちゃったりして・・

つづいても トルコからTip rotation についての論文.

著者らの考案した Flexible T-in-Gと 通常の T-in-G,それと columellar strut とで 結果の永続性を検証したもの.

T-in-Gがstrut に優るというのは 周知の事実で,すでにいくつも報告がある.
当然この論文でもその差は出ているけど,主旨は,Flexible T-in-Gと 通常の T-in-G とでは差が無かったということ.

で,そもそもこのFlexible T-in-G とはなんぞや,といえば,medial crus のcephalic side のmembranous septum をseptal cartilage に2〜3針 縫合するものらしい.

いやいや それって どーかんがえても ダメでしょって・・・
あともどり必至って思うけど,実際,ペーパーに掲載された症例写真でも,1年後にはcolumella drooping が起きてるし!

結果が出てるのは,計測のパラメータのトリックと思うわ・・・
ちょいと期待外れの論文でした.ザンネン

つづいては,ヒアルロン酸によるエンボリに対し,どのくらいの要領のヒアルロニダーゼが効果的かを調べた論文.
期待しちゃうわ〜

ウサギの大腿動脈にヒアルロン酸によるエンボリを作成し,75IU, 200IU, 500IU のヒアルロニダーゼを皮下投与する実験モデル.

で 結果はというと 500IUがイチバン!
75IUは ほとんど役立たずでしたが,200IUは比較的健闘してました.

もちろん高用量であっても 完全に融解はできないけど,効果は認められてるので緊急時には心してガツンといった方がよい ということですね.

よい論文でした.

最後は Chang Gungからの3級オペとcheek fat augmentation のコンビネーション治療についてのレポート.

Chang先生(Frank ってみんな呼んでる)がずっとやってるこのアプローチ.
実際,効果としてどうなの っていうのをいくつかのパラメータで評価した論文です.

実際,写真ではよくなってるので それを数字に起こす という地味なアプローチなんだけど,このあたりのこだわりが やっぱChang Gung だわ〜.毎度敬服いたします.

個人的には,同時にfat graft したことはないけど 術後しばらく経ってからやることは よくある.たしかに組合せることで ムダに上下顎としないメリットはあると思う.
論文は,インターナショナル・フェローがよくまとめていました.


そんなわけで 2021年最後のPRSでございました.
あらたな76周年に向かっていくPRS. 楽しみでございます.

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